龍の字をはじめとした字凧は江戸文化の伝統凧です。
江戸の人々は元来文字遊びか好きでした。
商家ののれん文字から提灯文字、看板文字、半纏文字、相撲文字、
寄席文字、歌舞伎の勘亭流文字まで、レタリングに洒落と遊びをこめました。
◆ ◆ ◆
天保改革でぜいたくな凧絵が禁止となりました。
それならというので江戸っ子が考えだしたのが、字凧だとの説があります。
◆ ◆ ◆
それ以前の天明のころにも、多少はありましたが、大流行したのは天保以後になります。
この字凧が粋を好む江戸の人々の遊びといわれるのは、字画の多いものほど、喜ばれたからです。
◆ ◆ ◆
龍、纏、魁、嵐、蘭、鯉、勢、鷲、鷹など、近くで見ると判読に困りますが、
大空高く揚がると読みやすくなるというのが、ねらいです。